児島八十八か所巡礼 第19番 来迎庵
倉敷市
金剛庵の次は来迎庵。
ここも県道に面していてわかりやすいうえに、十九番札所というバス停もある。(写真1)
寺院の名称がバス停になっていることは珍しくないが、札所の番号がバス停になっているのはほとんど例がないと思われる。
このバス停がいつ頃名付けられたものかはわからないが、その当時は児島88か所巡礼も今よりはずっと盛んであったのだろう。
この札所は、ひとつの建物にお堂が2つ並んでいるという面白い形である。(写真2)
向かって右が本尊や弘法大師の祀られている本堂で、左が四国19番札所の立江寺から勧請された子安地蔵が祀られている地蔵堂である。
(四国の立江寺は、聖武天皇の勅命により、行基が光明皇后の安産を祈願し小さな黄金の子安地蔵を刻み本尊として開基したと伝えられている。)
勧請された経緯はわからないが、同じ19番札所であるということが関係していると思われる。
そのためか、ここは別名を立江寺とも言われている。
この札所は海に面していて、境内から海の景色が楽しめる。(写真3)
石標は入り口の左右に2つ対称に立っていて、これも珍しい。
そのうちのひとつを紹介しよう。(写真4)
写真を見ていて気がついたが、この石標の筆跡と全体のデザインは前の金剛庵のものとそっくりである。(もうひとつの方は別の筆跡である。)
同じ人が、同じ時期に作ったものであろう。

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