児島八十八か所巡礼 第24番 吉塔寺
倉敷市
次に吉塔寺を目指す。
かなりわかりにくい場所で、途中道が細いところもあり、詳しい地図がないと探すのに苦労するだろう。
駐車場はお寺の前に広いスペースがある。
この寺は平安時代の開基と伝えられる古刹で、元は近くの堂の谷という所にあった山上伽藍だったらしい。
山門の薬医門(写真1)を入ると正面に大きな建物があり、右手部分が本堂、中央の唐破風の玄関がある部分が客殿、左手部分が庫裏と思われる。(写真2)
このように各伽藍が一体となった建物は珍しく、なかなか面白い。
児島88か所を開いた円明僧正はこの寺の住職であり、天保10年(1839年)に札所と経路を定めたと言われている。
本堂横には円明僧正の廟が建っていて、中には五輪塔が納められている。(写真3)
この円明廟の写真は、88か所を結願した後、記念のお参りに行ったときに写したものである。
88か所の各札所には札所番号を示す石標があるが、ここにはその番号の石標はなく、代わりに児島霊場本願所と書かれた大きな石標がある。(写真4)
弘化2年(1845年)の年号が刻まれているが、これは円明僧正がこの寺で入寂した年であり、碑文には霊場完成の本願を果たしたという意味のことが書いてあるらしい。

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