児島八十八か所巡礼 第25番 慈氏庵
倉敷市
次は慈氏庵。
街中の小さなお堂であり、ここも訪問するには詳しい地図が不可欠である。
お堂の横に駐車できるスペースがあったので、車はそこに停める。
狭い敷地いっぱいにお堂が建っている。(写真1)(写真2)
古いお堂を増築して広げたと思われる建物で、宝珠のある本瓦葺きの所が昔からの部分であろう。
元は一間四方くらいの小さな宝形造りのお堂であったと思われる。
この横に標石が立っている。(写真3)
少し気になるのはこの札所の名前の慈氏庵である。(写真4)
調べてみると、慈氏とは弥勒菩薩のことらしい。
しかし、この庵の本尊は阿弥陀如来だそうで、どうもしっくりこない。
「児島八十八ヶ所霊場」によれば、この札所の名称は弥陀庵となっていて、これなら本尊と整合している。
いつから慈氏庵と呼ばれるようになったのか、なぜ慈氏なのか不明である。
さて、この札所のある地名は児島小川というところで、88か所を定めた頃は海岸の村だったらしい。
円明僧正を助けて88か所を整備するのに尽力した中村文吾、家守弥次郎の二人はこの小川村の人であったことを書いておこう。

前へ  一番上へ  目次へ  後へ