児島八十八か所巡礼 第29番 天祥寺
倉敷市
文殊院に続いて29番天祥寺。
札所から少し離れたところに専用の駐車場がある。
この寺は天正年間(1573〜1592)の開基と伝えられ、始めは元号を取って天正寺の寺号であったらしいが、後に正を祥に変えたようだ。
88か所巡りは弘法大師信仰に基づくもので、札所の大半は真言宗系であるが、ここは臨済宗である。
本家の四国88か所も少数ではあるが真言宗以外の寺がある。
さて、訪問すると本堂は平成22年4月落成の木の香も匂う立派な新築の建物だ。(写真1)(写真2)
下世話ではあるがお金の話をすると、当時の新聞記事によれば、完成した本堂は木造平屋約300平方メートルで、地蔵堂の建て替え、本尊の釈迦如来像の修復なども併せて行い、総事業費は約2億1千万円だそうだ。
境内には宝形造りの大師堂があり、こちらは江戸末期の建物とのことだ。(写真3)
臨済宗の寺に大師堂があるのは少し変な気もするが、仏教らしいおおらかさが感じられてなかなかいい。
標石は山門の横にあり、嘉永2年の年号が刻まれている。
標石は嘉永のものが多いように思う。
嘉永は児島88か所が開かれたと言われる天保8年の次の次の年号であり、嘉永2年は天保8年から10年後である。(写真4)

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