児島八十八か所巡礼 第30番その2 大宝寺奥之院
倉敷市
1月29日、札所を全て回り終えたので、ちょっと気になっていたいくつかの奥之院に行ってみようと思い、最初に訪れたところがここである。
鷲羽山の岬の先端の久須見ヶ鼻というところにあり、説明板で児島88か所の総奥之院の存在を知ったことは、26番札所の奥之院に書いたとおりである。
この説明板に霊場が開かれた由来が書かれているが、寛政11年(1799年)に大宝寺の住職が久須見ヶ鼻で修行中に、千年を経たかと思われる大亀が現れ、その甲羅の上に弘法大師の像が乗っているのを見つけ、この地にお堂を新築して祀ったとのことである。
江戸時代末期とは思えないおとぎ話のような伝説である。
その後何度もお堂の建て替えが行われ、現在のお堂は昭和59年に建てられた鉄筋コンクリート製の建物である。(写真1)
霊場の入り口に「此処は、み仏さまの境内です。景色より、何よりもまず合掌。」との札があった。
ここを訪れる人はほぼ霊場参りを目的としていると思われるが、あえてこんなことを書いているのは、思わず景色の美しさに見とれるためであろう。
今のお堂は回廊がちょうど展望台のようになっていて、そこを一巡すると瀬戸内海の素晴らしい景色を十分に楽しむことができる。(写真2)(写真3)
標石は県道から札所に入るところに2本立っていて、「児島八十八ヶ所霊場総奥之院之一」、「大宝寺奥之院」と書かれている。(写真4)
ここが総奥之院の一に列せられたことは説明板にも書いているが、後の4か所がどういう順序かは資料がなくわからない。

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