児島八十八か所巡礼 第32番 観音寺
倉敷市
次は32番観音寺で、弘泉寺からは近く、歩いて5分ほどで到着する。
現在の下津井地区は、もとは隣接した田之浦、吹上、下津井の3つの村であり、それぞれに港がある。
先ほどの弘泉寺は田之浦で、ここは吹上に位置する。
この寺は高台にあって遠くからもよく見えるし、石段の上り口が旧道に面していてわかりやすい。
鎌倉時代の開基と伝えられ、南北朝時代には足利尊氏が九州から東上の途中、この吹上の地に4日間滞留した際にここに陣を敷いたと言われている。
かなり急な石段を登って境内に入ると、客殿(写真1)、地蔵堂、本堂(写真2)が棟続きとなっている。
入母屋造りの本堂は江戸時代の建物とのことである。
境内から下津井の町と港、瀬戸内海を見渡すことができる。(写真3)
石標は石段の上り口にあり、天保15年の年号が刻まれているが、年号を確認している中ではここまでで一番古いものである。(写真4)
なお写真については、台風が接近する天候のせいで全体に暗く、客殿は雨戸が閉められていたので、後日撮り直した。
港の見える風景だけは、荒天の雰囲気のある当日の写真である。

前へ  一番上へ  目次へ  後へ