児島八十八か所巡礼 第33番 平松庵
倉敷市
33番平松庵も前の札所の観音寺からは歩いてすぐである。
旧道から入って行く路地の入り口に小さな案内板があり、これに気づけば簡単にたどり着ける。
この狭い路地には、途中に共同井戸があったり石段を登ったり、いかにも昔からの港町らしい趣きがある。(写真1)
(この路地の写真は後日撮ったものである。)
札所の名前は「へいしょうあん」と読むようだが、名前の由来などはわからない。
「児島八十八ヶ所道案内」にもこの名前で出ているので、88か所開設当時からこの名前のようである。
前身は江戸時代初期に廃寺となった吹上の雲滝寺であると言われている。
お堂は何の変哲もない建物であるが(写真2)、ここもまた景色がたいへん美しい。(写真3)
ちなみに、昭和の始めごろに大阪毎日新聞社、東京日日新聞社によって日本百景が選定されているが、岡山県では下津井海岸と神庭の滝の2か所が選ばれている。
当時は備讃瀬戸を代表する景観とされていたようで、この景色を見ればなるほどと思う。
訪問したときは境内にカンナの花が咲いていて、曇り空に赤い色が映えてとても印象的だった。
標石は札所の番号だけを記したもので、弘化の元号が刻まれている。(写真4)

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