児島八十八か所巡礼 第35−2番 般若院奥之院
倉敷市
1月29日、30番大宝寺奥之院と同じ日に般若院奥之院を訪問する。
道沿いに案内の札があるが、近くに車を停めるところはないので、細い山道を歩く。
やがて大きな自然の岩が多数ある場所に行き着き、多くの石仏が据えられている。(写真1)
ここが般若院奥之院で、いかにも奥之院という感じがする。
石仏は江戸時代半ばから大正時代にかけて作られたものだそうで、十三仏霊場になっている。
石仏の全てに真っ赤な前掛けが掛けられているのは少し不思議な光景である。
よく見れば、不動明王などにも掛けられていて、いささか不似合いだ。
この奥之院は湯谷山観音堂と呼ばれていて808年に開かれたと伝えられる。
湯谷山の名は、11番札所円通庵のところで書いた由加山の鬼を退治した坂上田村麻呂がここを訪れたときに、湧き水で水行をしたらたちまち湯に変わったという伝説に由来する。
岩場に大非水と言う井戸があり、これがその湧き水であろうか。(写真2)
808年は田村麻呂の生きている時代で、伝説と整合しているのが面白い。
また、本尊の如意輪観音を祀る観音堂もあるが、わりと新しそうな建物である。(写真3)
如意輪観音も、とても平安までの時代はないであろう。
石標は大正13年の年号が入っていて、比較的新しい。(写真4)

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