児島八十八か所巡礼 第39番 持命院
倉敷市
続いて広江の持命院。
広江は交通量の多い幹線道路が東西南北に走り、商店、住宅が立ち並んだ市街地であるが、江戸時代までは地名の由来となった水島灘に面する大きな入り江で、半農半漁の村であった。
おそらく児島八十八か所の中で、最も様相が変わったところであろう。
札所は幹線道路の県道から種松山へ登る道路を入れば、併設している保育園が右手に見えてわかりやすいが、専用の駐車場はないようである。
このあたりの札所の寺は先ほどの安楽院や次の般若寺など、保育園を併設しているところがいくつかあり、地域性が感じられる。
山門は薬医門(写真1)、本堂は江戸時代の建物で、35番般若院のところでちょっと珍しいと感じたのと同様の入母屋造りの妻入りである。(写真2)
石標は、手前の保育園の曲がり角のところに札所番号だけ刻まれた古いものと(写真3)、山門横に番号と寺名の刻まれた立派なものがある。
山門前の参道に面して併設の保育園の藤棚があり、この季節に花が咲いていた。(写真4)
夏に咲く藤としてナツフジとかサッコウフジなどがあるようだが、それらとも少し違う感じで、普通の藤よりも花房が短く、あまり見かけないものである。

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