児島八十八か所巡礼 第40番 般若寺
倉敷市
8月9日、真夏の暑さの中、まずは般若寺から巡礼する。
倉敷市の中心部から近い福田というところにあるこの寺は、奈良時代の開基と伝えられる。
山号は梅香山と言うが、これは菅原道真が太宰府に赴任する際にここに立ち寄って紅梅一株を植えたとの故事に由来しており、本堂、客殿などの瓦には梅鉢紋が入っている。
この地はかつては海辺であったから、都から九州へは瀬戸内の海路を通っていた当時、風待ちの港に道真の足跡が残されているのは、あながち伝説とも言えない。
道真は讃岐の国司をしていたこともあるので、四国に渡る際に立ち寄ったということも考えられる。
山門は構造的には棟門であるが、屋根が唐破風となっているので唐門と言っていいだろう。(写真1)
唐破風のついた門を唐門と言い、正面に唐破風のあるものが向唐門(むかいからもん)、側面に唐破風のあるものが平唐門(ひらからもん)で、この門は平唐門である。
本堂は入母屋造りで、かなり新しそうな建物だ。(写真2)
鐘楼は瑜伽山蓮台寺から移築した袴腰鐘楼。(写真3)
袴腰鐘楼とは2層の鐘楼の1階部分を袴のように板で覆ったものであり、特に珍しいものではないが、児島霊場ではここが初見のように思う。
石標は山門の下にあり、札所番号、札所名が入ったものである。(写真4)

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