児島八十八か所巡礼 第50番 慈眼院
倉敷市
続いて慈眼院。
寺伝によれば、この寺もひとつ前の宝寿院と同じ平安時代後期の開基で、新熊野山関係の寺であったと思われる。
慈眼院という名前の寺は数多いが、慈眼とは慈しみの心をもって衆生を見る仏の目のことである。
また、この寺の寺号は大悲寺と言い、大悲とは大きな悲しみではなく、衆生を救う仏の大きな慈悲のことで、寺号、院号ともに仏の慈悲を示している。
天保13年(1842)に一山全焼し、本尊も持ち出すことができなかったとのことで、現在の建物は全てその後に建てられたものだ。
大ぶりな石を使った立派な石垣があり、石段を登ったところに山門の薬医門がある。
山門を入ると正面に建っている客殿は48番の一等寺と同じく重層となっていて、やはり近くの由加山蓮台寺の客殿に倣ったものだろうか。(写真1)
ただ、重層と言っても高さはあまりないので、外見だけで内部は平屋になっていると思われる。
境内から一段高くなっている所に、正面3間の小振りな入母屋造りの本堂がある。(写真2)
石段下の人の身長くらいの石標には、年号などは刻まれていない。(写真3)
この寺の近くには彼岸花など色々な秋の花が咲いていて風情を感じる。
そこであまり見かけない花を目にして、アゲラタムかなと思ったが少し違うようで、後で調べたら西洋フジバカマに似ていた。(写真4)

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