児島八十八か所巡礼 第51番 住心院
倉敷市
この寺は花菖蒲で知られる。
札所の順番は外れるが、花の時期に合わせて6月5日に訪問した。
寺伝によれば平安時代初期の開基で、新熊野三山の新宮、諸興寺の末寺であったと言われている。
前に新熊野山十二所権現について書いたが、本家の紀州熊野山に見立てて、本宮(倉敷市林の熊野神社)の他に新宮(倉敷市木見の諸興寺、江戸時代に廃寺)、那智宮(倉敷市由加の由加神社、蓮台寺)を建立し、新熊野三山と称した。
さて、花菖蒲も気になるが、まずはお参りをする。
石垣は新しく積まれたようで味気ないが、昔のような立派な石垣を積むのはもはや困難だろう。
石段を登った所に山門の薬医門がある。(写真1)
本堂は小振りな宝形造りの建物である。(写真2)
菖蒲園は寺の横にあって、休耕田を利用して多くの品種の花菖蒲が植えられている。
種類によって花の時期は少しずつ異なるようで、一面に咲き揃った図は見られないが、それでも色々な個性の菖蒲を楽しめた。(写真3)
季節折々の花を見るのはお寺巡りのひとつの楽しみである。
管理するのは大変だろうけれど、今後も手入れを続けて欲しいものだ。
標石は山門の石段下に新しいものが立っているが(写真1参照)、参道を少し下ったところに道標があり、矢印はどうも後から彫ったようで、これが元々の標石ではなかったかと推測されるので、こちらを紹介しておこう。(写真4)

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