児島八十八か所巡礼 第54番 大慈院
岡山市
10月2日、大慈院を訪問する。
ここからしばらくは旧灘崎町(現岡山市)の札所となる。
この寺は児島霊場では珍しく平野の住宅地の中にあり、少しわかりにくい。
かつては大願寺の35の末寺のひとつ南の坊で、元々は近くの稲荷山の麓にあったと言われている。
稲荷山から北西の現在平野になっているあたりは入り江になっていたようで、寺号が潮音寺ということからも海の近くに位置していたことがわかる。
入り江が干拓されて間もない約200年前の安永年間に移転し、札所の開設当時は既に現在の場所であった。
その時代に新しい干拓地に寺を移すというのは、かなり特異なことだろうと思われる。
新天地を求めたのはいかなる理由によるのであろうか。
客殿はこのところ見慣れてきた重層の入母屋造りで、唐破風の玄関が付いている。(写真1)
重層の客殿はわりと珍しいと思うので、このあたりの地域性と言えるだろう。
客殿の奥に本堂があり、入母屋造り妻入りで唐破風向拝がある。(写真2)
石標は門の外の駐車場の傍にある。(写真3)
寺の裏手の方は古い家並みがあり風情を感じる。(写真4)

前へ  一番上へ  目次へ  後へ