児島八十八か所巡礼 第55番 慶岸寺
岡山市
大慈院の次は、JR彦崎駅から南へ1kmほどの慶岸寺。
寺の開基等は不明なところが多く、元々は近くの彦崎馬場というところにあったものが、いつの頃か廃寺となった。
池田光政の寺院整理によるとも言われているが定かではない。
「児島八十八ヶ所道案内」では大日庵とあり、札所が開かれた当時はその名で呼ばれる小さな庵となっていたようだ。
大正時代に堂宇を建て替えて慶岸寺を復興したとのことで、現在の建物はそのときのものである。
本尊の大日如来坐像は平安時代の作と推定され、寺の歴史も相当古いことがわかる。
この本尊について、資料やインターネットで国指定重要文化財との記述が見られたが、その事実はない。
現行の文化財保護法の施行以前にあった「重要美術品等ノ保存ニ関スル法律」による認定と混同していると思われるものの、残念ながら認定の事実は確認出来ていない。
この法律は廃止されているが、認定は今も効力を有しているようである。
訪問すると、現在は無住となっていてかなり淋しい感じがする。(写真1)
石段を上がると正面に客殿と庫裏兼用と思われる建物があり(写真2)、入母屋造り妻入りの小ぶりな本堂が隣接している。(写真3)
石標は石段下にあり、慶岸寺の名がある復興後のもので、昭和9年の年号が刻まれている。(写真4)

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