児島八十八か所巡礼 第57番 慶昌庵
岡山市
次の慶昌庵も開基等は不明であり、元は神明寺という寺が池田光政の寺院整理によって廃寺となったようだ。
「児島八十八ヶ所道案内」には慶昌庵と記されていて、霊場が開かれたときには小さな庵だったのだろう。
車の通れない小道を登った小高い場所にあるので、駐車できるところを見つけて歩いて訪問する。
石段を登ると、境内右手に小さな宝形造りの本堂が(写真1)、左手に民家風の庫裏がある。(写真2)
庫裏は少し老朽化しており、無住の寺では庫裏を置く意味もないのでいずれ取り壊されるであろう。
札所として本堂だけはこれからも大切に保存してほしい。
石段を登ったところにひっそりと立っている石標には、慶昌庵という名称と嘉永3年の年号が刻まれている。(写真3)
石標の周りや石段横にはオキザリスの花が咲いていて、ちょっと淋しいこの札所にあっては唯一の彩りだ。(写真4)
ここは山の陰にあり木々が鬱蒼と茂って薄暗いうえに、近くに墓地が多いためか薮蚊の数も半端ではなく、あまり居心地のよいところではないので早々に退散した。
蚊のいない季節に訪問するのがいいだろう。

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