児島八十八か所巡礼 第58番 延長庵
岡山市
慶昌庵の次は延長庵で、ここも元は延長寺という寺で、池田光政の寺院整理によって廃寺となったようだ。
延長寺は当時寒村ばかりのこのあたりでは珍しいほどの大きな寺であったと言われており、僧都という位の高い僧侶がいたらしい。
札所の地名は宗津と言うが、これは僧都が語源であるとされる。
ちなみに僧都は僧正に次ぐ僧の位で、児島霊場を開いた円明については、没後にその功績により僧正位を贈られている。
さて、宗津公会堂の傍の空き地に車を停めて歩いて行く。
公会堂の壁に案内図が掲示されていてわかりやすく、近づくと目印の大イチョウも見えるので迷うことがない。
前の札所の慶昌庵と同じような本堂(写真1)と庫裏(写真2)があるが、かつて大寺であったと想像することは難しい。
この札所のシンボルと言える大イチョウは樹高約30メートルで、樹齢は250年〜300年と推定されている。(写真3)
自然に大きく伸びた姿が美しく、まだまだ樹勢が盛んなようである。
石標は入り口の横にあり、自然石に札所番号を彫っただけの簡素なものである。(写真4)

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