児島八十八か所巡礼 第59番 西光庵
岡山市
続いて西光庵。
元は臨済宗の寺であったと伝わるが、いつ頃廃寺となったのか定かではなく、「児島八十八ヶ所道案内」には観音堂と記されている。
霊場が開かれたときには小さなお堂となっていたようだ。
西光庵という名前は、第12番で説明している児島百番観音霊場を定めたときに、
秩父16番西光寺に見立てられたことによると思われる。
現在の建物はかなり新しくコミュニティハウスのような感じで、児島88か所の中で最も味気ないものだが(写真1)、「児島霊場を訪ねて」によると、ここは盆踊り供養や釈迦の誕生日を祝う「花まつり」などの伝統行事を行う場として活用されているそうだ。
そのためか平成19年には休憩所が改築されている。(写真2)
(以下の写真は後日撮ったものである。)
札所に多く見られる休憩所は、かつて巡礼が盛んであった頃、お遍路さんが体を休め接待を受けた場所であるが、今となってはほとんど使われておらず老朽化しているものも多い。
改築されているということは、今でも現役として活躍しているのであろう。
休憩所の横には樹齢がありそうな姿のよいサルスベリがある。(写真3)
石標には札所番号とともに、読みにくいのだが西光庵と刻まれているように見える。(写真4)
しかし、年号は安政となっていて、それが確かならまだ児島百番観音霊場が定められる前であり、どうも矛盾している。
西光庵という文字は後から入れたものであろうか。

前へ  一番上へ  目次へ  後へ