児島八十八か所巡礼 第68番 寂光庵
玉野市
次に寂光庵を訪問する。
槌ヶ原の南奥というところにあるが、その名のとおり集落の南の奥にあり、山際で閑静な場所である。
開基等は不明だが、本尊である薬師如来は室町時代の作と言われる。
この地区にあった満正寺と建照寺という2つの寺が池田光政による寛文の寺院整理によって廃寺となったようで、どちらかの寺の本尊であったと思われる。
廃寺の後はお堂を建てて祀っていたようで、 「児島八十八ヶ所道案内」には薬師堂と記されている。
目や足の病におかげがあるそうで、地元ではお薬師さんと呼ばれて親しまれている。
寂光庵の名の由来は不明であるが、明治の頃には尼僧がいたようで、尼寺である京都大原の寂光院に因んだものかも知れない。
現在のお堂は昭和53年に建て替えられたもので、南奥公民館と併設になっている。(写真1)
お堂部分は入母屋造りの妻入りで(写真2)、中を見ることができたため、この八十八か所巡礼では始めて本尊の写真を載せておく。(写真3)
標石は前にガードレールが出来て見にくくなっているが、自然石の大きくて立派なものである。(写真4)

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