児島八十八か所巡礼 第72番 蓮光院
玉野市
11月27日は八浜の札所、まずは蓮光院を訪問する。
かつてはその南隣に71番札所の浄光寺があり、北には73番金剛寺、74番宗蔵寺と4つの札所が並んでいた。
八浜の町には、70番蔵泉寺も含めて5つの札所があったことになる。
寺の数からも八浜がいかに児島湾における主要な港として繁栄していたかということがわかる。
しかし、明治以降船舶が大型化し大規模な港が必要になってくると、瀬戸内海側の宇野に四国との連絡船の港でもある大きな港が作られ、八浜の町は廃れてしまう。
その結果として、今でも歴史の流れから取り残されたような昔の町並がいくらか残っていて、往時を偲ぶことができる。
この寺の開基は応永年間(1394〜1428)と伝わり、金剛寺の前の低地に在ったものが水害を避けるために天明5年(1785)に現在地に移転したとのことである。
入口を入ると右手に庫裏、左手に入母屋造りの本堂(写真1)が建っている。
石標は入口横にあり、明治15年の年号が刻まれていた。(写真2)
ここは庭や鉢植えにクレマチス(テッセン)が多く栽培されていたので、5月の連休に再訪してみると、見事にたくさんの花を開いていた。(写真3)
寺のすぐ前に、六角井戸という共同井戸と思われる遺構がある。(写真4)
この形は中国の様式らしく珍しい。
現在は井戸としては使用されておらず、金魚が泳いでいた。

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