児島八十八か所巡礼 第77番 円蔵院
岡山市
12月4日、ここからは岡山市にある札所となる。
まず南区の郡にある円蔵院。
駐車場はないので近くの空き地に車を停めて、ここと次の札所の三蔵院を訪問する。
郡はかつて律令制で国司、郡司が置かれた際に、児島郡の役所が置かれたことに由来する地名で、以後児島の中心的な町として栄えた。
江戸時代には8か所の寺があったそうで、今でも札所以外にいくつかの寺がある。
これだけの寺を支える人口と経済力があったということだ。
いくらか昔の面影の残る町中の小路に面して円蔵院がある。
山門は薬医門。(写真1)
本堂は入母屋造りで、客殿を兼ねたものである。(写真2)
この建物は元禄10年(1697)に再建されたものと言われているが、屋根瓦の一部は改築前の室町時代のものが使われているらしい。
なるほどよく見れば古めかしい瓦が見え、全体として古い本瓦独特の屋根の趣がある。
境内の隅には宝篋印塔とクロガネモチと思われる古木があった。(写真3)
石標は大きく堂々としており、裏面には安政6年の年号が彫られている。(写真4)

前へ  一番上へ  目次へ  後へ