児島八十八か所巡礼 第82−2番 松光院
岡山市
児島湾大橋を渡って飽浦の交差点を過ぎるとすぐ左手に松光院がある。
この道はよく通るし、この寺も目には入っていたけれど、またそのうちにと思って特に訪れることはなかった。
しかし、今回たまたま札所の休憩所のような建物がちらりと見え、これは札所の特色とも言えるものなので、何だろうと思い寄ってみた。
すると門前に82番と書かれた立派な石標が立っている。
何でここにと思い、調べてみると「児島風土記」では82番札所は一時松光院という記載があり、また、岡山文庫の「備前の霊場めぐり」の児島霊場の表では82番は松光院となっている。(ただし写真では82、83番は松林寺。)
ある時期ここに82番札所があったことは間違いないようだが、その経緯についてはわからない。
以下は全くの推測であることを断ったうえで、思いついたことを書いてみる。
まず気になったのが石標の文字である。(写真1)
八十二番の二の字の間が開きすぎていて、二の間にもう一本線があるように見え、元は三の字であったように見える。
丁寧に見ると間の棒を埋めた跡が見て取れた。
となると、これは83番の標石である。
83番の松林寺は明治になって困窮したことは前の項に書いたが、客殿を売りとばすほどであるから、札所の権利もこの松光院に売ったものと思われる。
標石はそのときのもので、松林寺から移設したか、新しく作ったのであろう。
それでここが83番札所になったが、後に松林寺が82番と合併した際に、82番と83番の順が道順と逆になるため、札所の番号を入れ替えたのだろう。
その後、いつの時か松光院は82番を返上して現在の形に落ち着いたと思われる。
さて、ここは何度か訪問しているが、4月7日の桜が咲いている時の写真を載せておく。
写真は山門(写真2)、本堂(写真3)、ここを訪問するきっかけになった休憩所(写真4)である。

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