児島八十八か所巡礼 第84番 宝積院
岡山市
松林寺の次に宝積院を訪問する。
古くから漁業で栄えた阿津という集落の一番奥にある。
途中道は細いが車で行ことができ、寺のそばに駐車場がある。
開基は不明であり、もとは別の所にあったものを永禄10年(1567)にこの地に移転したと言われている。
現在の建物は慶長年間(1596〜1615)の火災の後、江戸中期に再建されたようだ。
この寺の本尊は薬師如来であるが、近くの広幡八幡宮のご神体であった阿弥陀如来が、明治の神仏分離の際に当寺へ移されて客仏として祀られている。
この阿弥陀如来像は室町前期の造立と推定されているが、胎内に安貞2年(1228)という鎌倉時代の年号のあるお経が納められている。
色々と時代は錯綜しているが、古い歴史を持っていることがわかる。
本堂(写真1)、客殿(写真2)は江戸時代に再建されたもの。
訪問したときはいちょうの落ち葉が本堂の横を敷き詰めていた。(写真3)
石標はなかったが、石灯籠に札所名と札所番号が刻まれていて珍しい。(写真4)

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