児島八十八か所巡礼 第86番 延寿院
岡山市
86番延寿院は既に廃寺となっており、本尊は87番高明院に移され、札所の石標も高明院の境内にあるため(写真1)、高明院のところで併せて紹介されることが多いようである。
しかし、今でも跡地があるので、ここはひとつ章を設けて紹介しよう。
また、弘法大師像は別の場所にある大師堂に移されており、この大師堂も延寿院と呼ばれているので別の章として、2章に分けて書きたいと思う。
この寺の開基は不明であるが、慶安2年(1649)に再建された。
江戸時代には相当栄えていたようで、現在の小串小学校のあたりがその敷地であった。
明治以後は衰退してやがて廃寺となり、小串小学校に隣接して本尊の薬師如来を祀るお堂を残すだけとなっていたが、それも整理されて小学校の運動場の一部となり、跡を示す石碑だけが立っている。(写真2)
もともと小串小学校は明治6年に延寿院を仮用して創立されたもので、何だか軒を貸して母屋を取られるような話である。
跡地には特に何も残っていないが、近くにはお地蔵様のお堂があった。(写真3)
また今はなき札所への道標も通りの角に残っていた。(写真4)

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