児島八十八か所巡礼 第88番 明王院
玉野市
12月10日、結願の札所ということで、この日は改まった気持ちでこの寺だけを訪問する。
およそ1年かけて全ての札所を回り、これで最後かと思うといささかの感慨がある。
最初は半ば思いつきで始めたことが、回っているうちにだんだんと児島88か所に愛着が出てきて、60番を過ぎたあたりから残り少なくなってくるのが淋しい気持ちだった。
実はあと1か所「児島八十八ヶ所道案内」に5か所の奥之院のひとつとして明王院奥之院の鉾島大師堂が記載されているのだが、これは現存していない。
詳しくは次の章で述べることにする。
さて、明王院であるが、番田というところの丘の上にある。
札所名が入った石標がある登り口から登ったら、どうやら裏参道だったようで、表参道には立派な石垣の塀があった。(写真1)
山門を入ると正面に本堂(写真2)と庫裡(写真3)が並んで建っている。
本堂は客殿を兼ねたもので、88か所の最初の頃によく見た形式で、札所を一巡したことを感じた。
この寺の本尊は室町時代の作と推定される阿弥陀如来像で、寺名も阿弥陀寺である。
院号の明王院は脇侍の不動明王から来ている。
一般的に院号で呼ばれているのは、本尊が秘仏であまり目に触れることがないためだろうか。
山門の前には88か所の打納めにふさわしい立派な石標があり、裏面に大正9年の年号が刻まれている。(写真4)
裏参道登り口の石標の方が古そうだが、年代が不明なので、ここでは山門前の石標を紹介しておこう。

前へ  一番上へ  目次へ  後へ