児島八十八か所巡礼 第88 - 2番 明王院奥之院
玉野市
「児島八十八ヶ所道案内」に5か所の総奥之院が記載されてあり、鉾島の名がある。この鉾島奥之院は色々と調べてみても所在が確認できなかったので、3月3日、とりあえず鉾島を訪問してみる。(写真1)
鉾島は番田の海岸近くにある小さな島で、一部陸続きとなっているため歩いて渡ることができる。
この島は神宮皇后が新羅、百済、高麗の三国を平定した、いわゆる三韓征伐の帰りに、この島に立ち寄ったという伝説の島である。
鉾島の名は神宮皇后がここで鉾を立てたという伝説に由来していて、鉾をたてた穴が今もあるという。
島に行ってみたが、建物のようなものはないし、何かがあった跡もない。
小さな島で、尾根に何とか歩ける程度の道があるので、先端近くまで行くと伝説の鉾を立てた岩らしきものがあり、なるほど3つの穴があるが、とても古い遺構には見えない。(写真2)
さて、88番札所の明王院には本堂の奥に大師堂がある。(写真3)
ここに道標があり文字が刻まれていて、ほとんど判別不能なのだが、じっくりと見てみると「おく乃いん」と読めなくもない。(写真4)
改めて「児島八十八ヶ所道案内」を見ると、これには前の札所からの距離が丁の単位で記載されているのだが、ここが黒く塗りつぶされている。
つまり奥之院と明王院の距離が無くなったということだろう。
結論としては、鉾島大師堂はかなり昔になくなり、この明王院の大師堂を奥之院としたということだろうか。

                                      (地図は鉾島の方を示していますby編者)

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