参考文献 その1
「児島八十八ヶ所道案内」について
岡山県立図書館所蔵の冊子本で、データ化されたものを閲覧できる。
(有料でプリントしてもらえる。)

巡礼の貴重な資料であるので、簡単な説明と考察を書いておこう。

図書館の説明には次のようにある。
「天保10年(1839)5月に出版された児島八十八ヶ所巡りの案内書。
携帯の便を考えてか、小型本(9×17cm)に仕立てられている。
第一番札所の北方村(現玉野市北方)中蔵院から第八十八番札所の番田村(現玉野市番田)明王院まで、地名・寺院名・距離を順に記してある。」

天保10年と言えば児島88か所が整備されたといわれる年であり、その表記が書物の出版年を示すものとするのは、少々疑問に感じるところである。

しかし、木版本のようで江戸時代のものとも考えられ、札所を列記した後に「天保十年己亥五月」と記されていることから、少なくとも最初に整備されたときの札所を示しているものであろうと判断する。
この日付が、文書が書かれた時に付されているとすれば、この筆はあるいは円明僧正のものであろうかと想像してみる。


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