巨木探訪:旭川を下る−番外編
これは旭川西岸の道の起点となる新京橋の橋下の道路脇に生えているムクロジである。
番外編の理由は
1.巨木というのは基本的に樹齢100年を越え、目通り3.0m以上の樹を指す。
新京橋は昭和38年に開通した。
橋の開通前からこの場所に樹が生えていたとは考えにくい。
よって樹齢はせいぜい40数年であろう。
目通りに関しては個人的には四捨五入で3.0mとしているが、この樹は2mくらいではなかろうか。
2.写真を見ていただければわかる通り、これは『樹を観る』というテーマから少しずれている。どちらかというと『街角ウォッチング』の部類に入るのではなかろうか。
ここはちょくちょく通るので高い樹があるなぁ、と思っていた。
樹に関心を持つようになってからこの木がムクロジであることがわかった。
そして、さて幹周はどれくらいなのだろう…?と思って根元の方に目をやり、初めてこの樹の状態に気がついた。
面白がるよりも悲惨という気持ちが先に立った。
それ以来、いつかゆっくり観察しに行こうと思っていた次第。
幹はあと少しで完全にガードレールを巻き込むが、いまさらどうにかなるものでもなかろう。
将来的にガードレールの方が破損し、樹が伐採されたりしないことを祈るのみである。
ところで、この樹が生えているところは狭いながらも公園である。
『船着町児童公園』という名前が付いているのだが、地図上はそういう町名ではない。(京橋町である。)
昔はそういう町名があったのか、それとも単に慣習的にそう呼ばれているのかは定かではないが…
初めてこの付近をゆっくりと歩いてみたが、新京橋をくぐった反対側には四郎九郎稲荷神社という小さな社がある。
旭川の方を見ると護岸は整備され、河川敷も広々としている。
橋の下に日陰ができ、犬と散歩している女性が一服している。
この界隈の人々にとっては生活の一部となっている光景なのだろうが、町の片隅でこのようにどこか昭和の余韻を残した光景に出会うと軽い興奮を覚える。
地球上のさまざまな観光地に行ってみたいと思わないでもないが、それよりも小さな町の隅にある未知の光景、そういうものをたくさん見たいと思うのである。