地方のお寺は、かなりの名刹でもほかの地域の人にはあまり知られていない。
この竹林寺も全く知らなかったけれど、訪れてみると見どころがいっぱいで、本当にいい寺だ。
まず本堂は室町時代の建築であり、こけら葺きで素朴な美しさがある。
また、ここには平安時代から室町時代の18体の国重文の仏像があり、本尊の文殊菩薩像は秘仏であるが、それ以外の17体は宝物館に安置されていて、ゆっくり観賞できる。
私は、仏像というものは信仰の対象であり、これを美術的に鑑賞することには少し抵抗がある。
しかし、こういうふうに博物館のように見せてくれるのはありがたく、芸術として鑑賞させてもらった。
さらに、この寺には夢窓疎石が作庭したと言われる庭があり、これを客殿から眺めることができるのもうれしい。
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