8月16日、いくつか気になる寺を廻る。
最初は浄土寺。
岡山市湯迫にある古刹で、今は江戸時代と思われる本堂くらいしか見るべきものはないけれど、ここは郷土史を語る上では欠かせない寺である。
まず例によって報恩大師が整備した備前国48か寺のひとつであり、創建は奈良時代と言われている。
鎌倉時代初期に、俊乗坊重源が平重衡によって焼かれた東大寺再建の勧進職となり、再建の費用をまかなうため造営料国として周防国と備前国があてがわれた。
その際にこの寺が再興されたようだ。
東大寺再建のため、周防国からは木材が、備前国からは瓦が供給され、瓦用の窯は瀬戸町万富に築かれたらしいが、この寺の周辺から東大寺の刻印のある瓦が出土している。
また、この寺の近くに平清盛によって備前に流された、関白藤原基房の配所と伝えられる関白屋敷の跡がある。
他にも諸国諸国を行脚した北条時頼の伝説もあり、色々と興味深い。
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