9月22日、四国からの帰り道、しまなみ海道を通り生口島の向上寺に寄る。
この寺は瀬戸田という趣のありそうな港町にあり、この町も少し散策したかったけれど今回は時間がないので目的地へ直行する。
ここには国宝の三重塔があり、この塔をぜひ見ようと思った。
境内に入ると本堂が新築中で、明治に火災で失われた本堂を現在新築しているようである。
この境内から石段を登っていくと三重塔がある。
室町時代の建築で、港を見下ろす立地もよく、全体の姿も美しい。
禅宗様が強い折衷様式で、この時代にしては華麗な装飾が施されている。
禅宗様と言われても知識がなければよくわからないのだが、昔、日本史の建築美術で和様とか唐様とか習ったが、その唐様のことを今は禅宗様と呼ぶことが多い。
どのあたりが禅宗様かと言えば、窓が花頭窓になっているところや、一階の軒が扇垂木になっているところはすぐにわかる。
また、一階の組物が唐様らしいが、このあたりはよくわからない。
特に文句を言うところは全くないのであるが、国宝としてはちょっとおまけという感じがしないでもない。
この塔は国宝の中では最も新しく、寺院建築で時代が室町期のものはかなり美術的に優れているか、特色の顕著なものが国宝に指定されていると思う。
この塔については、華麗な装飾に独創的なものがあり、そこが評価されているのであろう。
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