10月10日、浅口市の鴨方へ行く。
ここには、私にとってどうしても見たいものがあって、それは正伝寺(廃寺)の竜宮門である。
寺そのものは跡形もなく無くなっていて、古寺巡礼と言い難いがこういうのもいいだろう。
この門のことが岡山文庫の「岡山の建築」に鴨方高校の校門として紹介されており、一度見たいと思っていたのだが、鴨方高校も移転しており、ネットで調べてもよくわからず、ちょっとした幻の存在だった。
やっと場所がわかったので、訪問してみる。
正伝寺は元亀年間(16世紀)に創立し明治30年に廃寺となったもので、この寺の山門がこの寺の跡にあった鴨方高校の校門として使われていた。
まず竜宮門の説明をすると、竜宮城の門のような中国式の楼門をこう呼んでいる。
この様式の門はたまに見るが、時代の古いものは少なく、私の知識の範囲では全て江戸時代以降のものである。
この門は安土桃山時代の物と伝えられており、意匠的に見てもその時代と考えて問題ないようである。
そうなれば国の重文級の文化財と思うが、後世改修された部分が多いため未指定となっているようだ。
少なくとも市の重文には指定して、大切に保存してほしい。
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