12月23日、備中国分寺を訪問する。
国分寺と言えば、奈良時代に聖武天皇によって鎮護国家を目的として全国に造られたことは有名である。
今でも、各地に国分寺が残っているが、残念ながら創建当時の姿のものはない。
この備中国分寺も、南北朝の時代に焼失し、一時廃寺となっていた。
現在の寺は、江戸時代になってから再興したものである。
ここには岡山県で唯一の五重塔がある。
江戸時代以前の五重塔は貴重だから、この塔も国の重文となっているが、軒の出は浅いし、逓減率(上層に行くにつれて各層の小さくなる割合。一般的に時代が古いほど逓減率が大きい。)も小さく、お世辞にも美しい塔とは言えない。(写真2)
しかし、この塔はなぜか遠目に見ると大変美しく、吉備寺の風景にとても馴染んでいる。
女性が美しく見える場合として、夜目遠目笠の内などと言うが、そんな感じである。(写真1)は名残の柿の木の間から見た五重塔で、遠目笠の内といったところであり、惚れ惚れするほど美しく見える。
他の建物では、五重塔に比べて目立たないが、本堂はなかなか立派で見栄えのする建物である。(写真3)
また、客殿もよく手入れがされていて立派である。(写真4)
|