児島八十八か所巡礼 第17番 常光寺
玉野市
弘法寺の次に常光寺を訪問する。
この寺は観音院という院号も親しまれていて、観音院という名の寺は多くあるので、地名の日比を付けて日比観音院と呼ばれる。
本尊である十一面観音菩薩像は平安時代の作らしい。
寺伝によれば、この観音像は弘法大師の作で、鹿ケ谷の陰謀で鬼界ヶ島に流された僧俊寛の念持仏であった。
俊寛が配流される際に、台風に遭って船が沈みそうになった時、この観音像が自ら海中に身を投じて風雨を鎮め、難を救った。
数日後浜に流れ着いた観音像を、村人が寺に運んで祀ったと言うことである。
さて、ここは裏手に駐車場があり、ここに車を停めると裏から訪問するようになる。
本堂は五間四方の大きな建物であるが、夕刻が近づいているせいか雨戸が閉まっている。(写真1)
鐘楼は珍しい竜宮造りである。(写真2)
竜宮門で鐘楼を兼ねている鐘楼門はたまに見るが、門ではない鐘楼でこのような形をしているものは、尾道の千光寺にあるものしか記憶にない。
鐘楼が建っている土台は斜面に鉄筋コンクリートで築いたものなので、時代的には新しい建物と思われる。
この寺も高台にあって、日比の町と港を一望できる。(写真3)
表参道の石段を下りたところに石標がある。(写真4)
石標は傷みが目立つが、嘉永元年の年号が刻まれており、150年以上の時を経ていると思えばやむを得ないだろう。

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