児島八十八か所巡礼 第30番 大宝寺
倉敷市
この日の最後は30番大宝寺で、児島競艇場の南の大畠という地区にある。
狭い路地の奥にあるため車の進入は出来ないし、近くに駐車できるところもなく、かなり遠くに車を停めて歩く。
歴史上有名な大宝律令が施行された大宝年間に開基されたことから大宝寺の名になったと伝えられており、それが事実かどうかはわからないが、児島88か所の中でも有数の古刹であることは確かで、毘沙門天像は鎌倉時代の作だそうだ。
札所を訪問すると、まずきれいな石垣が目に入る。(写真1)
亀甲積みと言われる積み方(石を六角形に加工して隙間なく積む)に近い感じで、石を加工して、パズルのように隙間なく組み合わせる技術と手間はたいへんなものである。
山門は薬医門で、山門横の板塀が洒落ている。(写真2)
(そこから続くブロック塀は無粋であるが)
本堂は入母屋造りの正面5間の大きな建物であるが、飾り気がなくさっぱりとしていて、窓がアルミサッシになっていることもあって、ちょっと味気ない。
春に再訪すると境内には梅や沈丁花が咲き、いい香りがしていて、夏に訪問したときよりもずっと雰囲気が良かった。(写真3)
寺の表情も季節によってずいぶん異なる。
石標は弘化の年号の入った古いものである。(写真4)

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