児島八十八か所巡礼 第37番 常慶庵
倉敷市
続いて常慶庵。
水島工業地帯のすぐ近く、宇野津の交差点を東に行けば、一転して棚田のあるのどかな田園風景になる。
道沿いに案内の道標があるが、これに従うと車では通行困難な道幅になったので、引き返して少し先の宇野津公会堂に駐車する。
ここから山の方へ歩くと、ほどなく札所に至る。
お堂は昭和57年に建て替えられており、昭和56年発行の「児島八十八ヶ所霊場」の記載によれば
「荒れはてて見る影もない程の、一間四方宝形造本瓦葺きの本堂と、それに続く庫裏があり、(中略)江戸末期には誰かの庵室であったらしいたたずまいである。」
とあるので、その後まもなく新築されたようだ。(写真1)(写真2)
時代を経たお堂が無くなっているのは残念であるが、文化財でもない建物はいずれ消え去る運命にある。
春の季節に再訪した際に気が付いたが、この札所の石垣は高さはないが、個々の石が大きくてたいへん立派なものである。(写真3)
菜の花が咲いている里の風情は長閑であり、心が安らぐ。
石標は境内の入り口に新旧2本ある。(写真4)
古い方には明治32年の年号が認められるが、新しい方に年号は入っておらず、お堂の再建時に建てられたものであろうか。

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