児島八十八か所巡礼 第41番 蓮花院
倉敷市
次の蓮花院は、児島が島であった頃は、その最も西北に位置していた。
ここからは元の島の北側を行くコースになるが、今ではほとんど陸続きになっているので、しばらくは海から離れ内陸部の巡礼となる。
古城池トンネルのすぐ北の交差点から西に向かって進むと道沿いにあって、寺の前には専用の駐車場がある。(写真1)
倉敷と水島の間あたりになるが、エアポケットのような谷合の静かなところだ。
この寺の寺号は弘長寺と言い、その名が示すように鎌倉時代の弘長年間の1262年に開基されたと伝えられる。
本堂の前の入り口には門がなく、山門は客殿と庫裏の前にある。(写真2)
これは元々は庫裏の通用門で、かつては本堂前に山門があったのではないかと思われる。
本堂は江戸末期の建物で、下津井の豪商荻野久兵衛が寄進したものだそうだ。(写真3)
久兵衛は31番札所、下津井弘泉寺の本堂も寄進している。
こちらは彼の地元であり、おそらく檀家であったと思われるが、下津井からかなり離れているこの寺に寄進するというのはどういう関係があったのだろうか。
石標は境内にあり、面を変えて札所番号と札所名が刻んであり、さらに別の面に元治2年の年号が刻んである。(写真4)

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