児島八十八か所巡礼 第67番 持性院
玉野市
次に持性院。
開基等は不明だが、本尊の十一面観音像が室町時代の作と推定されることから、同時代の開基と考えられる。
本堂は入母屋造りで、唐破風の玄関が右手に付いていて客殿のような造りである。(写真1)
以前は屋根が茅葺きであったそうだが、今は大きく改修されている。
そのため新しく見えるが、柱の面取りは室町時代の様式を残しているらしい。
面取りとは、主に傷つきやすい柱の角を守る目的で角の部分を45度に切り落とすことで、柱の断面は八角形となる。
一般的にこの面取りの面が大きいほど時代が古いと言われているが、これだけで建築年代を計ることは難しく、実際にいつ頃建てられたのかは不明である。
古い建築物が少ない児島八十八か所の中では最も古いものかもしれない。
裏手から見ると奥行きもある堂々たる建物で、正面よりも時代がありそうに見える。(写真2)
石標は川沿いの道から参道へ入る所に立っていて、自然石の大きなものだ。(写真3)
また、樹齢200年を超える大きな杉の木があり、寺の歴史を感じる。(写真4)

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