児島八十八か所巡礼 第69番 福寿庵
玉野市
続いて八浜駅近くの福寿庵を訪問する。
幹線道路沿いにあって場所はわかりやすいが、駐車する所は近くに見当たらないので、かなり遠くに車をとめた。
入り口横の休憩所に、札所の沿革が詳しく書かれた案内板がある。
簡単にその内容を記しておこう。
かつてこの地には福寿院と福性坊という2つの寺があったが、池田光政の寛文の寺社整理により廃寺となった。
その後正徳2年(1712)に村人が2つの寺の仏像を祀るためお堂建立の願書を池田藩に出して許可を受けて福寿庵を建てた。
かつては僧がおり、昭和17年に福寿寺と改名したときには、杉山法覚という立派な尼僧がいた。
平成元年に火災に遭い本堂客殿を焼失したが、平成2年には本堂、平成4年には客殿を再建した、とのことである。
さて、再建された本堂は宝形造りの小さなお堂で(写真1)、本堂隣の客殿は集会所のような建物である。(写真2)
本堂裏には庫裏が残っていて、今も人が住んでいるかのようにきれいに手入れがされている。(写真3)
石標は入口横に植え込みに半分隠れたものがあるが、これは昭和17年の年号が刻まれていて、福寿寺と改名したときのものであろう。
ここでは本堂前にある石標を紹介しておく。(写真4)
小さなものだが、安政6年の年号が刻まれており、これは井伊直弼による安政の大獄があった頃で、約150年の歴史を歩んだものである。

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