児島八十八か所巡礼 第73番 金剛寺
玉野市
続いて蓮光院の北隣の金剛寺。
伊東忠志著「児島八十八ヶ所霊場」によれば、元は別の場所にあったものを応永31年(1424)に現在地に移転したことが古文書に記されているとのことだ。
訪問すると境内のイチョウが紅葉していてとても美しい。
山門は四脚門。(写真1)
本堂は堂々とした建物で、前述の「児島八十八ヶ所霊場」には一見して応永頃の建築様式を偲ばせるとあるが、どう見てもそんなに古い建物には見えず、調べてみると文化8年(1811)の建築らしい。(写真2)
本堂を建て替えるときに、元の本堂の様式を踏襲したのであろう。
寄棟造りの建物で、江戸期ではこのくらいの規模の本堂は入母屋造りが普通であり、寄棟としているところも古風だと思う。
客殿は児島湾の高島にあった83番札所松林寺の客殿を買い取って明治11年に移築したものだ。(写真3)
松林寺は岡山藩主池田氏の庇護を受けており、この建物も元禄頃に藩主の遊山用に建てられたなかなか立派なもので、入母屋を交差させたような複雑な造りとなっている。
石標は山門前にあり、大正15年の年号が刻まれている。(写真4)

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