児島八十八か所巡礼 第79番 本覚院
岡山市
三蔵院から少し東へ行き、北浦というところにある本覚院。
場所は少しわかりにくいが、近くに行けば山手に立派な石垣が見えてくる。
開基は不明で、元は郡にあったものが正徳年中(1711〜1716)に現在地に移されたようだ。
境内は広く、かつては本堂、客殿、庫裡等がありかなり大きな寺であったようだが、無住となって荒れてしまい、現在は山門と薬師堂だけが残っている。
この寺の本尊であった如意輪観音と薬師堂に祀られていた薬師如来は立派なものであったようだが、無住になった戦後の混乱期に盗まれたらしい。
現在は聖観音が本尊として薬師堂に祀られている。
そうなると薬師堂という名は少し変で、今は本堂と呼ぶのがふさわしいだろう。
山門は鐘楼門で江戸時代中期のものと言われており、この地に移転してきたときのものであろうか。(写真1)
薬師堂も同時代のもので、入母屋造りの三間堂。(写真2)
石標は山門脇にあり、裏面に文久4年の年号が刻まれている。(写真3)
春に再訪すると、札所に上る参道の入り口の桜が満開であった。(写真4)

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