児島八十八か所巡礼 第26番その2 持宝院奥之院
倉敷市
鷲羽山の岬の先端の久須見というところに30番札所大宝寺の奥之院があり、そこの縁起を書いた説明板に、円明僧正が児島88か所霊場を開いたときに、88か所の札所に加えて5か所の総奥之院を定めたことが記されている。
この総奥之院について明記した資料がなく、それらの場所もわからなかったが、最近所在を知った「児島八十八ヶ所道案内」という本に奥之院として5か所が記されており、おそらくこれがそうであろう。
「児島八十八ヶ所道案内」については、[参考文献 その1]に若干の説明を書いておく。
総奥之院は、それぞれの札所の奥之院でもあるため、その札所に併せて順次紹介しようと思う。
まず、第26番持宝院の奥之院である。
訪問したのは全ての札所を回った後の2月5日である。
持宝院には何故か奥之院が2か所あり、ひとつは野崎家旧宅の傍に商店街に面してある。(写真1)
もうひとつは倉敷市児島味野上2丁目にあり、このあたりの旧地名を井戸というが、「児島八十八ヶ所道案内」によると、持宝院奥之院の所在地に井戸とあるので、こちらの方が総奥之院であろう。
標石や説明のような物もなく、予備知識がなければ何かわからない小さなお堂であるが(写真2)、そこに掛けてある「遍照」と書かれた額に小さく持宝院と書かれているのでそれとわかる。(写真3)
お堂本体はかなり古い建物で、横手に回ると土塀の崩れたあたりが風情があっていい感じである。(写真4)

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