足守方面
巨木探訪:足守方面(3)
旧い町並みを抜け国道429号線に合流し北上する。
2kmほど走ったところで右手に分かれている県道71号線に入り、さらに1.5kmほど進んだ右手道沿いに安養寺という寺がある。
臨済宗の開祖、栄西が比叡山延暦寺に登る前の幼少の頃に修行を積んだ寺ということである。
ここに市指定保存樹のイチョウがある。
ほど良く伸びた幹に、ほど良く伸びた枝ぶりである。
寺は山門前もきれいに手入れされており、清々しい風情であった。

                クスノキ
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余談であるが、今週から山陽新聞創刊130周年記念のイベントとして県立美術館で建仁時展が開催される。
栄西の開いた建仁寺と足守ゆかりの木下家関係の美術品が展示されているのであるが、このタイムリーさは何だ!?
そして、栄西。
50歳で宋から帰国し寺を建立し活躍したそうである。
己に重ねるのは畏れ多いが、ワシもまだまだこれからよのう…

さて、安養寺の次は杉谷という地である。
71号線を引き返し、ちょうど安養寺と429号線分岐点との中間くらいを左手に入ると県道76号線である。
岡山空港に至る道であるが、足守側から来ると『岡山空港→』、安養寺側から下りて来ると『←三和』という標識になっているので要注意。
道なりに進むこと約1.5km、76号線が右に大きくカーブする三叉路がある。
ここで76号線からはずれて直進すると、すぐに左手にゴミ収集所を兼ねた道路の広いスペースがある。
ここに車を停め、来た方向を振り返ると、正面の山にこんもりとした樹が見える。
市指定保存樹の「疫清神社のマキ」である。
           クスノキ
そちらの方向に伸びている細い田舎道(写真の右手に写っている道)を歩いて行くと、右手に厄神社がある。
面白いことに神社の正しい名称は厄神社なのであるが、市の一覧表では疫清神社となっており、さらに境内にある130選の杭には疫神様と記されている。
さらに環境庁のデータでは疫病様のマキとなっている(しかも樹種はクヌギになっている)。
厄神社という呼び方は何か厄がふりかかりそうなので、逆に疫という表現を用いたのだろうか?

神社の石段は非常に急で、しかも一段の幅が狭い。
登りもしんどいが、下る時には絶対に腰を落として下りなければ危ない。
登りながらふと見上げると…頭上にマキの樹の枝が拡がっていた。
薄暗い石段を登りきると境内は以外に明るく、きれいに掃き清められていた。
マキは幹が太く、苔生し、力強いが暖かい印象であった。
末永くこの地で元気でいて欲しいものである。

                クスノキ
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