足守方面
巨木探訪:足守方面(4)
足守方面の最後は苔山地区「荒木家のタラヨウ」である。
通称通り、個人の居宅に生えているのであろうが…正直、苦手である。
しかし一応行くだけは行ってみなければ、と、来た道を429号線まで戻り北上する。
大井トンネルを抜けて1kmちょっと、右手の橋を渡ると苔山地区に入る。
苔山の集落は山の斜面に広がっている。
荒木家はその斜面の頂点にある。
家の表を見ると切手・印紙の委託販売も任せられているらしく、おそらく昔はこの地区の庄屋的存在だったのではあるまいか…?
ま、それはさておき、私の関心はタラヨウである。
かといって屋敷の中に入って家人に声をかける勇気は元から無い。
屋敷の左手にさらに奥に入る細い道があるので、とりあえずそこの入り口に駐車。
ざっと見てタラヨウらしき樹に見当をつけ撮影。
心許ないので家に帰って確認するため、落ち葉を一枚拾った。
(家に帰って調べたところ、やはりこの樹に間違いなかった。)

                クスノキ
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密かに写真を撮り、車に戻り発進したところ…見覚えのある標識が…

荒木家の入り口にあるクスノキ、これが市指定保存樹であった。
一瞬『こっちがタラヨウ?』と思ったが、近づいてみるとやはりクスノキ。
ただし幹周も樹高もいまひとつである。
ま、せっかくなのでこちらも撮影しておいた。(写真略)

さて、これで足守方面は終了である。
以外に早く終わったので、さて、どうするか…このまま429号線を北上し旧加茂川町に入るか、それともいっそのこと山手村まで行ってみるか…
コンビニでお茶を買って飲みながらしばし考えた末、山手村に行くことにした。
とは言っても足守の入り口から約7kmほど、そんなに距離があるわけではない。

429号線から180号線に戻り総社方向に向かう。
途中、新しくできたバイパスに入らず直進し『国分寺口』の信号で左折。
広い道(これも429号線)を2.5kmほど進んだ『国分寺西』の信号を右折。
すぐ左手に松の巨木のある小高い丘が見える。
松の木としては県下最大、県指定天然記念物「角力取山の大松」と角力取山古墳である。
少し先を左折すれば古墳の麓まで難なく入れるし、もちろん駐車場完備である。

県下最大の松だけあって、周囲に遮るものの無いその姿は悠然としている。
北向きに伸びた枝が丘陵に沿って伸びているが、何メートルあるのだろうか…?
周辺はきれいに草が刈り込まれ、清々しい。
古墳の隣には松専用の避雷針まで立てられ、大切にされているのがよくわかる。
四方から眺め、古墳に登り、松に触り、充分な時間を過ごした。
彼方には備中国分寺の五重塔も見える…。

  松  避雷針
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昭和5〜6年頃までは、ここには4本の大松があったそうである。
うち3本は枯死してしまって現在はこの1本が残るのみなのだが、この松もかなり傷んできている。
樹医の治療が施されているが、南西側の幹は空洞化しているようだった。
なんとか元気で持ちこたえてくれることを願わずにはいられない。

そろそろ帰途に着く時間である。
帰り道、道路沿いの国民宿舎に寄った。
土産物売場、産地直売場を併設しているのだが、結構な賑わいである。
ここ以外にも周辺には産地直売場がいくつかあり、吉備路観光もなかなか人気があるようである。

それにしても…足守方面はどこもが明るい印象であった。
どの場所も手入れが行き届いているからだろうか?
それとも私の中の何かが呼応したのか、はたまた天気の具合か…?
よくわからないが、とにかく朝から実によく動いた一日、ビールが美味かった。


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