岡山市から東に向かうルートを辿ってみた。
東と言えば西大寺と旧邑久郡であるが、今回は邑久郡〜日生である。
西大寺近辺はまたひとまとめにして紹介したいと思う。

まずは国道250号線（旧２号線）を東に向かう。
古都の跨線橋を越えて２つ目の信号（藤井）を右折し、県道83号線に入る。
ここからはひたすら道なりに進めばよい。
竹原の交差点を直進すると、道はカーブしてから吉井川に行き当たる。
邑上橋を渡ったところで信号を右折。
左手が豆田地区である。

川沿いに500ｍくらい走ると左手に土手から下りる道があるのだが、その前に目的の樹が目に入る。
1本だけぬっと目立つ樹が「円福寺のイチョウ」である。
豆田地区の地図はややこしくないのだが、道が細く、境内にまで車で進入するのは憚られる。
土手から下りてしばらく行くと道路右手に少し広いスペースがあるのでそこに停めるか、さらにもう少し先の右手に空き地があるので（ゴミ収集場所）そちらに停めるかして、歩いた方がよい。
ここのイチョウは『お行儀の良いイチョウ』で紹介した通り、すっきりした形である。

　　　　


円福寺を後にし、来た道を戻る。
邑上橋のたもとを今度は直進し吉井川沿いに北上すると、１kmも行かぬうちに右手に大きな樹が見える。
これが長船町福岡「妙興寺のイチョウ」である。
オハヨー乳業の工場の先を右手に下りると、寺までは一直線なので迷うことはない。
境内まで車で進入できるのだが、寺の左手に町内会の駐車場があるのでそちらに車を停めた。

境内に足を踏み入れた瞬間『こいつはでかいな…』と思ったのだが、それもそのはず、ここのイチョウは２本並んでいる。 大きさはほぼ同じ。
樹下に町指定天然記念物の説明板が立てられており、それによるとどちらも雌株ということで、仲の良い姉妹のようである。
ちなみにこの説明版、ご丁寧にも他所のイチョウとの比較まで書いてある。
逆に言えばそれだけ誇りあり、ということなのであろうか…。

長船町福岡は江戸時代には物流拠点として賑やかな町だったらしいが、今はすっかり鄙びた田舎の集落である。
このイチョウ姉妹はそういう時代の流れをずっと見てきたのであろう。
２本ともまだまだ樹勢も良いので、末永く睦まじく在ってほしいものである。