巨木探訪:赤穂郡上郡町(5)
どこかにツクバネガシの標識はないか、と辺りを見ながら歩いて行ったが、相変わらずそのような標識はない。
代わりに見つけたのは『クマ目撃情報 6月22日、青木功ゴルフクラブ周辺でクマが目撃されました云々…』という貼紙。
えっ、クマが出没するのか!?
とんでもない。
急に怖気づいたが、ここで引き返すわけにもいかない。
クマに出会わぬことを祈りながら黙々と足を運んで行った先には…2軒の民家があり、舗装路はその先で途絶えているようである。
なるほど、通行不能というのはこういうことか…。
しかしこれも全然違う。
落胆して来た道を戻る。
このままではツクバネガシに会うことはできない。
わざわざここまでやって来たのに、諦めるしかないのか…。
しかしこの地区にもう一度来ることがあるのだろうか?
いやいや、それも大変だ。
とりあえず車の所まで戻り車中で遅い昼食を取っていると、右手の道から軽トラックが下りてきた。
こんな所に車を停めて弁当を食べているなんて、怪しいヤツと思われるのだろうなぁ…などとふと思う。
この時に地図をよく確認すれば、そちらが黒石への道であることに気づいていたはずなのだが、とにかくすっかり標識のマジックにかかっていた私には分からなかった。
そして実はもうひとつヒントはあったのだ。
ただ間抜けな私はそれを見たはずなのに気づいていなかった。
それが何であるのかは後述する。
昼食を終えて分岐点Aまで戻った。
最後にもう一度、何かヒントはないだろうか…と車から降りて標識を眺めているうちに、ふと気がついた。
『通行不能』の標識の一部がシールで隠されているのだが、その下に隠されている文字は何だろう?
そしてよく見ると、シールの下には『→黒石』『→市原』の文字がうっすらと見て取れた。
この瞬間、頭の中に閃いた。
先ほど車を停めていた分岐点B、それこそが黒石に登って行く分岐点だったのではないか?
考えてみれば、軽トラックが下りて来た、ということは、少なくともその先に人が行ける場所がある、ということである。
たとえ株式会社N.G.C.の敷地に入ろうとも、引き返すことは可能である。
一気に勇気づけられ、先ほどの道に右折し登って行った。
市原に続く道よりもこちらの道の方がかなり良い道である。
そして進んで行くと…右手に『ツクバネガシ←300m』の案内標識を発見!
やった、正解だった!!
心が躍る。
標識に従い左折。
少し先で道は途切れ、広場になった。
民家が数軒見える。
おそらくこの数軒の共同駐車場であろうと思われる広場には『ツクバネガシ→150m』の標識があった。
車を停めて民家の間の細い道を歩いて行く。
右手の民家の庭で農作業をしている人の姿が見えた。
経験上、こういう時にはこちらから声を掛け、怪しいヤツではないことをアピールした方が良い。
「こんにちは〜。」
振り向いた男性に「ツクバネガシはこの先ですか?」と確認。
「ああ、真っ直ぐ行ってちょっと右に曲がったところ。」との答え。
そして歩を進めた先に「黒石のツクバネガシ」が立っていた!
町指定のツクバネガシは幹周6.1m、樹高はさほどでもないが枝の広がり具合が見事である。正面から見ると幹が痛んでいるようだが、裏側に回るとそうでもない。
背後には竹藪を控えているが周囲の竹はきれいに刈られているので、カシは王様が玉座に座っているように見える。
余談であるが、カシに行くまでの細い道にはシカの糞がたくさん転がっていた。
こういう人里離れた所では、あと2世代も経てば廃村になってしまうのではなかろうか…。
それでもツクバネガシは守られていくのだろうか?
そんなことがふと気になった。
(右の写真は「黒石のツクバネガシ」を裏側から見たところ。)
代わりに見つけたのは『クマ目撃情報 6月22日、青木功ゴルフクラブ周辺でクマが目撃されました云々…』という貼紙。
えっ、クマが出没するのか!?
とんでもない。
急に怖気づいたが、ここで引き返すわけにもいかない。
クマに出会わぬことを祈りながら黙々と足を運んで行った先には…2軒の民家があり、舗装路はその先で途絶えているようである。
なるほど、通行不能というのはこういうことか…。
しかしこれも全然違う。
落胆して来た道を戻る。
このままではツクバネガシに会うことはできない。
わざわざここまでやって来たのに、諦めるしかないのか…。
しかしこの地区にもう一度来ることがあるのだろうか?
いやいや、それも大変だ。
とりあえず車の所まで戻り車中で遅い昼食を取っていると、右手の道から軽トラックが下りてきた。
こんな所に車を停めて弁当を食べているなんて、怪しいヤツと思われるのだろうなぁ…などとふと思う。
この時に地図をよく確認すれば、そちらが黒石への道であることに気づいていたはずなのだが、とにかくすっかり標識のマジックにかかっていた私には分からなかった。
そして実はもうひとつヒントはあったのだ。
ただ間抜けな私はそれを見たはずなのに気づいていなかった。
それが何であるのかは後述する。
昼食を終えて分岐点Aまで戻った。
最後にもう一度、何かヒントはないだろうか…と車から降りて標識を眺めているうちに、ふと気がついた。
『通行不能』の標識の一部がシールで隠されているのだが、その下に隠されている文字は何だろう?
そしてよく見ると、シールの下には『→黒石』『→市原』の文字がうっすらと見て取れた。
この瞬間、頭の中に閃いた。
先ほど車を停めていた分岐点B、それこそが黒石に登って行く分岐点だったのではないか?
考えてみれば、軽トラックが下りて来た、ということは、少なくともその先に人が行ける場所がある、ということである。
たとえ株式会社N.G.C.の敷地に入ろうとも、引き返すことは可能である。
一気に勇気づけられ、先ほどの道に右折し登って行った。
市原に続く道よりもこちらの道の方がかなり良い道である。
そして進んで行くと…右手に『ツクバネガシ←300m』の案内標識を発見!
やった、正解だった!!
心が躍る。
標識に従い左折。
少し先で道は途切れ、広場になった。
民家が数軒見える。
おそらくこの数軒の共同駐車場であろうと思われる広場には『ツクバネガシ→150m』の標識があった。
車を停めて民家の間の細い道を歩いて行く。
右手の民家の庭で農作業をしている人の姿が見えた。
経験上、こういう時にはこちらから声を掛け、怪しいヤツではないことをアピールした方が良い。
「こんにちは〜。」
振り向いた男性に「ツクバネガシはこの先ですか?」と確認。
「ああ、真っ直ぐ行ってちょっと右に曲がったところ。」との答え。
そして歩を進めた先に「黒石のツクバネガシ」が立っていた!
町指定のツクバネガシは幹周6.1m、樹高はさほどでもないが枝の広がり具合が見事である。正面から見ると幹が痛んでいるようだが、裏側に回るとそうでもない。
背後には竹藪を控えているが周囲の竹はきれいに刈られているので、カシは王様が玉座に座っているように見える。
余談であるが、カシに行くまでの細い道にはシカの糞がたくさん転がっていた。
こういう人里離れた所では、あと2世代も経てば廃村になってしまうのではなかろうか…。
それでもツクバネガシは守られていくのだろうか?
そんなことがふと気になった。
(右の写真は「黒石のツクバネガシ」を裏側から見たところ。)