吉備中央町方面
巨木探訪:加茂川町再び(その3)
三納谷方面はあきらめ、次は和田方面に向かった。
372号線を来た方向に下土井まで南下し、そこから右折して和田に至る道に入った。
が、ここで私は自分の異変に気がついた。
なんだか胃のあたりが重く、ムカムカするのである。
おかしいな、出てくる前に食べた物に変な物はなかったはずだが…?
ハタと気がついた。
これは車酔いだ!
慣れない軽四でしかも山道をぐるぐる回ったために車酔いを起こしたのである。
しかし休んでいるわけにはいかない。
気分の悪さを押し殺し、憑かれたように車を進めた。

2kmも走ったところであろうか、道の右手に「和田のヒノキ」の案内板があった。
やれやれ、これは助かる。
しかし「和田のヒノキ」の下にもう一枚「和田のヤワラネズ」という案内板がある。
はて、これは何だ?
そんな樹のことは私の調査には出てこなかった。
まぁ、良い。
これも何かのついで、寄って行こう。

道は例によって細く、くねくねと民家の間を上って行く。
上り詰めたT字路のところにまたもや案内板があった。
なんて親切なのであろう…。
先にヤワラネズの方に行ってみることにした。
どこにあるのかわからないが、とりあえず案内板の示した方向に400mくらい進んで行くと民家に入る細い道に案内版があった。
どうやらここが目的地らしい。
目の前に公会堂があったのでそこに車を停めて歩くと、ヤワラネズはすぐにわかった。
樹自体は巨木ではないが、説明板によるととにかく珍しい木で、しかも樹齢150年ということで町の天然記念物に指定されているようである。
なるほど、苔むしたような枯れた趣のある木である。
                 流れ柿 
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写真に収めて、来た道をT字路まで戻り今度はヒノキの方へ。
300mほど進むと道が3つ又になっている。
はて、どれが正解なのか?
とりあえず右の道に入りしばらく進んでみたが下り始め、どうも雰囲気が違う。
引き返して今度は左側の道に入ってみたら、これが正解!
すぐに視界が開け、その先に「和田のヒノキ」の案内板があった。
なるべく近くまで車を進めてみたがすぐに個人の家に入る道になり、車を止めるスペースは無い。
少し下にこれまた公会堂があったのでそこに車を停めた。
「和田のヒノキ」はヒノキにしては珍しく丸い樹型をしている。
近くに競争するような樹がなかったせいか、土地の条件が良かったのか…
どこかのブログかHPで読んだのだが、1970年の大阪万博にヘリで運び込む話が持ち上がったが、地元住民の強い反対にあって実現しなかったとか。
山里に隠れ棲む武将のような印象の樹であった。
                 流れ柿 
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ヒノキに満足した後は尾原・豊岡方面である。
来た道を下り下土井まで戻り、今度は66号線を北上である。
下土井から約4km、尾原という地区に「尾原の一本桜」という樹がある。
ここは66号線沿いに川が流れ、その川に沿って民家のある集落である。
道を走りながらざっと見渡したが、それらしい樹はわからない。
すっ飛ばしてさらに北の杉谷という地区に向かった。
尾原から約3km、黒木ダムの手前の右手あたりに「桜本のタラヨウ」があるはずである。
しかし…それとおぼしき場所には民家が1軒あるのみ。
まさかあの民家が樹の所有主で、家の裏手にでも生えているんじゃないだろうな…?
それだったら私にはお手上げである。
民家を訪ねる勇気はない。
ここまで来たがあきらめざるを得まい。
66号線を引き返し、尾原まで戻り再び集落に目を向けたところ…集落のはずれ、いちばん南端に大きな樹があるのに気がついた。
樹型がどうも桜に似ている。
半分の確信を持ちながら道を左手に入り、樹に近づいたら…やはりそれが「尾原の一本桜」だった。
花の咲いている時期に来れば一発でわかったであろうが、葉桜の時期になるとわからないものである。
この樹も町指定天然記念物。
土手の上から川面に向かって大きく枝を伸ばしている。
満開の時期に来ればさぞかし美しいであろう。
                 流れ柿 
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