真庭
巨木探訪:美甘村(1)
いろいろと行事があったり、天気が悪かったりで約1ヶ月ぶりの樹行である。
今年の4月は天候が不安定なのだが、本日は燻っていた気持ちを払拭するかのような快晴。
日も長くなったし、ちょっと遠くまで足を伸ばすことも可能であろう。
気合い十分で臨んだ樹行である。
行き先はかねてから調査を重ねていた美甘村をメインに、そこから南下する予定。
山中行軍はほとんど無さそうなので普通車で出かけた。

美甘村まではまず県72→国484→県31→県66で落合町に至り、そこから国313→県84で勝山町に出る。
何度か通ったルートであるが岡山からは最も直線的なルートである。
県32に合流して北上し、国181に合流、これを北上すれば道なりに美甘村に到着する。
国181に合流してからは未踏破の道であるが、残念ながらこの道沿いには見るべき巨木は無い。
神代という地区で道路脇に「四季桜」という名木があるが巨木ではないのでスルーし、美甘村を目指す。

美甘村に入って4kmほど進むと首切峠のトンネルがあるのだが、トンネルの手前の道路左手の斜面に「寄水のケヤキ」がある。
(樹冠の位置が道路より低く、周囲の杉木立に隠れて道路からは見えない。)
トンネルの手前にバス停を兼ねたパーキングエリアがあるので車を停める。
ここまでの走行距離約90km、所要時間は1時間半である。

パーキングから200mほど歩いて戻ると下方に降りる細い道(一応階段状にはなっている)がある。
草藪に覆われていて歩きにくいのだが、樹下まで下ってみると周辺はきれいに下刈りされていた。
樹齢400年を越えるケヤキはかなり傷んでおり、2幹の一方は樹肌も剥がれてほぼ枯死状態。
しかしもう一方の幹からは新しい若枝が伸びており、なんとか生き延びている様子である。
根元には『治療中につき柵内立ち入りをご遠慮ください』と小さな札があった。
(実際には柵は無いので以前に治療を受けた時のものであろう。)

           エノキ
地図はこちらへ

下刈りは最近なされたようで、北側に向かって道が切り開かれている。
辿って行くと2軒ある民家の裏手に続いており、そこからパーキングへと戻ることができた。
                エノキ

余談であるが、パーキングエリアには『桜の名所 首切トンネルの桜』という看板がある。
トンネルの上の山を見ると、なるほど、ほぼ散ってしまってはいるがまだいくらかの桜が見える。
山の斜面全体に桜が植樹されている様子で、満開の時期には確かに見事であろう。
残った桜を眺めながらここで弁当を使う。
(この『弁当を使う』という言葉は、いかにも遠出をしているようで好きである。)
ちなみに今回の樹行では、満開を過ぎてはいるが先々でまだ桜を十分に見ることができた。

さて、トンネルを抜けるとすぐに美甘村の中心地である。
中心地といっても山あいに一握りの集落がある、という程度で、本当にこぢんまりとしている。
昔は出雲街道美甘宿があったそうであるが…
その中心地の西端にあるのが「美甘神社のイチョウ」である。
神社の隣にある公民館(?)の駐車場に車を滑り込ませた。
ここのイチョウは幹周5mなのであるが、そんなに大きく感じられないのは3幹に分かれているからだろうか?
樹齢は1987年の資料では272年、樹勢はすこぶる良さそうである。(しかしこの細かい数字はどこから出てきたのか…神社の縁起にでも書かれていたのであろうか?)
幹の分かれ目近くから、活着したのであろう別の樹の若枝が伸び始めていた。

                エノキ
地図はこちらへ


一番上へ