鏡野町
巨木探訪:奥津町(3)
次の目的地は少し離れた場所になる。
県116を北西に進んで行くと、やがて道は県445に変わる。(県116は右手にそれる。)
そのまま直進すること約5km、伊木谷川の小さな橋を渡り、西谷上コミュニティハウスの前を通過し、若曾川という小さな川の手前で右手に入る細い道があるので右折。
100mちょっと進んで民家が途切れた先の左手の道際に立っているのが「羽出の大トチノキ」である。
樹齢1000年、幹周6.8mの大トチノキは、地上3mの位置で2幹に分かれていたが、平成3年に台風で分岐箇所から破損してしまったそうである。
主幹の部分は完全に空洞化してしまっており、よく見るとその中に大日如来が祀られている。
この状態でよく生き永らえているもんだ、と思うが、伸びている枝葉は若々しい。
枯れた趣が里の隠者を思わせる樹である。
すぐ傍らに背丈ほどの高さの若いトチノキがあったが、自生したものだろうか、それとも後継樹として植えられたものなのだろうか…?

           トチノキ
地図はこちらへ

県445を国179に戻る途中の路傍に2本の立派なモミがある。
場所は伊木谷川から500mほど下ったところ。
往路で気付いてはいたが、あえて復路で寄ってみた。
2本のモミの間には天狗のような怪しげな人物が刻まれた石が祀られている。
台座を見るとかすかに『行者』の文字が読めるので、修験道信仰と思われる。
向かって右手のモミは幹周4mくらいはありそうで、なかなか立派な樹である。
この樹はどこの資料にも記載されておらず『森の神』さんのHPで「原のモミ」という名前で紹介されている。

           モミ
地図はこちらへ

国179まで戻り300mほど南下したところで左手に入れば小山の集落である。
100mほど入ったところの左手の民家の裏手の墓場に「小山のアカガシ」という巨木があるのだが、通りすがりに目を向けてみてもそれらしい樹はわからない。
引き返してもう一度見てもやっぱりわからない。
民家の裏手ということで、わざわざ車を止めて誰かに尋ねるというのも面倒なので、ここはスルーした。
さらに『森の神』さんのHPによると、少し南下した井坂地区にケヤキの巨木があるらしいのだが、場所が特定できないのでこちらもスルー。

さらに南下して行き、奥津湖の手前で県56に右折。
箱岩橋を渡ったところで左折すれば上野寺に着く。
ここにあるのは「上野寺のコウヤマキ」。
樹齢は750年、幹周は3.5mで県下第1位のコウヤマキである。
寺の下はちょっと道が入り組んでおり、どれが直接境内に繋がっているのかよくわからない。
車で上れそうでもあるが、とりあえず空いたスペースに車を停めた。
目の前にあった石段を登って行くと、境内の下に多数祀られている墓石の前に2〜30人の人が集まっており、中央では坊さんが経を唱えている。
どうやら集団水子供養のようである。
場違いなところに来てしまったな、と思ったが、なに、ワシの目的はコウヤマキ、何食わぬ顔で横を通って境内へ。
スっと伸びた姿のコウヤマキ、よく見れば根元に樹医の治療痕が見えるが、手入れが行き届いているのであろう、とても樹齢750年とは思えない樹勢の良さである。

                コウヤマキ
地図はこちらへ


一番上へ