巨木探訪:富村(3)
ゴールデンウィーク初日、ここ2~3日の降ったり晴れたり風が吹いたり、という変な天候は何処へやら、朝から快晴。
かねてから計画していた富村探訪を実行することにした。
今回、参考にした資料は『富の杣の名木』(平成15年、富村教育委員会発行)である。
富村の面積はあまり広くないが、巨木の分布はけっこう端から端に亘っている。
しかも国道が通っておらず、村に至るには交通の便が悪い。
通常の午後からの探訪では2回に分けて行かねばならないだろうが、それでは面倒である。
ここは是非とも1回で済ませてしまいたい。
ということで、この日は久しぶりに朝からオフ日にした。
富村への主要ルートは最終的に久世町から県65を経て入るか、国179で湯原から県56を経て入るか、のどちらかである。
探訪の順路を考えた結果、後者を選んだ。
なお、今回の探訪記は前回(昨年7月)と少し重複するところもあり、また資料に記載されていることや目についたことも少し交えて書くことにする。
9時に出発。
まずは県72を吉備中央町に向かい、途中で国429に右折という走り慣れた道である。
いつものように県72を快調に飛ばしていたところ…なんと『ネズミ捕り』に引っかかってしまった。
場所は芳賀方面からの県72が空港線に合流する所である。
スピード違反で引っかかったのは約20年ぶりだ。
21km超過、減点2、罰金15,000円。
今まで休日にネズミ捕りを見かけたことはなかったが、ゴールデンウィークということで張っていたのであろう。
運が悪かったと諦めるしかない。
この先もどこかで張っているかも、と思いながら国429を走って行くと、果たして江与味の手前あたりでも張っていた。
こりゃ主要道路は危ない、本日は安全運転に徹しよう。
西川で県30に左折、落合に入って落合大橋を渡って左折し、県65へのショートカットのため川沿いの県329へ。
ところが出口で勘違いをしてしまった。
うっかり『いずみ橋』を左折してしまったのである。
結果国313に出てしまい、国181に合流する羽目に。
ここで右折すればすぐに県65へ左折できるのだが、さらに勘違い。
理由は『目木地区のコンビニで昼食を買う』ということが頭の中に あったからである。
つまり頭の中には『県65の入口=コンビニ』という図式があり、そのために本来の県65の入口を見落としてしまった。
気が付いたのは台金屋地区あたり。
ええい、仕方がない、と結局目木のコンビニまで走って昼食を購入。
ここで県330に入って県82に合流すれば県65に接続できるのだが、何を思ったか、再び国181を戻ってようやく県65に右折。
そんなこんなで富村に入ったのは11時半近かった。
とんだタイムロスである。
さて、富村に入って2kmほど走ると大地区である。
余川の小さな橋を渡ってすぐの右手の道を入って行った奥に「大のイチイ」がある。
背後にあるのは『富八十八ヶ所霊場四十番札所阿弥陀堂』。
イチイ自体はそもそも巨木になる樹種ではないので、この樹も巨木ではないのだが、名木として選定されている。
地元では「大の栂(トガ)」と呼ばれているが、元々この地にはイチイは自生していないので参詣者が植えたものだろうと言われている。
余談であるが、トガとはツガのことでマツ科植物、イチイはカヤなどのイチイ科で別物である。なぜ「栂」と呼ばれているのかは定かでない。
イチイから200mほど西に神田神社がある。
ここの社叢は県郷土記念物に指定されており、5本のスギの巨木があるということなので訪ねてみた。
県65から鳥居に向かってまっすぐ進み、右手の坂を上ると境内まで車で入ることができる。
5本のうち最大のスギはどれだろう、と辺りを見回し、それから鳥居の傍らに説明板やら立杭があったのを確認するために石段を下りようとした。
この時、石段の下に赤い服が右から左に動くのが見えた。
先ほど進入してきた時に鳥居の近くで草刈りをしていた人である。
瞬時に悪い予感がした。
左手には民家はなかった。
なのに草刈りの手を止めて左手方向に行った、ということは、誰がやって来たかを確かめるためではないか?
いや、でもそれは疑心暗鬼だろう…と、石段を下り切ると!
石垣の陰から赤い服を着た少年がひょっこりと顔を出し「こんにちは。」と挨拶をした。
外見と声の具合からして、まだ中学生のようである。
「こんにちは。」と挨拶を返すと、彼は「ここに何しに来たん?」と話しかけてきた。
「ここの神社に大きなスギの木がある、と聞いたんで見に来たんよ。」
「ふーん…泥棒かと疑うてしもうた。ごめんなさい。」
素直に謝る少年、しかしやはり不審者と思われていたのか…(T_T)
「最近この辺になぁ、泥棒が出るんじゃ。それで知らん人が来たけぇ…」
「ああ、そりゃ驚かして悪かったなぁ。せえでも神社には来んじゃろう?」
「賽銭が盗られるんじゃ。」
ま、少年はあっさりと警戒を解いてくれたようである。
話を戻して神社のスギであるが、ここには5mのスギがあるはずであった。
しかし案内板を読むと、そのスギは平成16年の台風23号で倒壊してしまったとのこと。
境内を捜すと、なるほど切株が見つかった。
現存するスギの中でいちばん大きいのは、写真のいちばん左手のスギであろうか(4.0m)。
かねてから計画していた富村探訪を実行することにした。
今回、参考にした資料は『富の杣の名木』(平成15年、富村教育委員会発行)である。
富村の面積はあまり広くないが、巨木の分布はけっこう端から端に亘っている。
しかも国道が通っておらず、村に至るには交通の便が悪い。
通常の午後からの探訪では2回に分けて行かねばならないだろうが、それでは面倒である。
ここは是非とも1回で済ませてしまいたい。
ということで、この日は久しぶりに朝からオフ日にした。
富村への主要ルートは最終的に久世町から県65を経て入るか、国179で湯原から県56を経て入るか、のどちらかである。
探訪の順路を考えた結果、後者を選んだ。
なお、今回の探訪記は前回(昨年7月)と少し重複するところもあり、また資料に記載されていることや目についたことも少し交えて書くことにする。
9時に出発。
まずは県72を吉備中央町に向かい、途中で国429に右折という走り慣れた道である。
いつものように県72を快調に飛ばしていたところ…なんと『ネズミ捕り』に引っかかってしまった。
場所は芳賀方面からの県72が空港線に合流する所である。
スピード違反で引っかかったのは約20年ぶりだ。
21km超過、減点2、罰金15,000円。
今まで休日にネズミ捕りを見かけたことはなかったが、ゴールデンウィークということで張っていたのであろう。
運が悪かったと諦めるしかない。
この先もどこかで張っているかも、と思いながら国429を走って行くと、果たして江与味の手前あたりでも張っていた。
こりゃ主要道路は危ない、本日は安全運転に徹しよう。
西川で県30に左折、落合に入って落合大橋を渡って左折し、県65へのショートカットのため川沿いの県329へ。
ところが出口で勘違いをしてしまった。
うっかり『いずみ橋』を左折してしまったのである。
結果国313に出てしまい、国181に合流する羽目に。
ここで右折すればすぐに県65へ左折できるのだが、さらに勘違い。
理由は『目木地区のコンビニで昼食を買う』ということが頭の中に あったからである。
つまり頭の中には『県65の入口=コンビニ』という図式があり、そのために本来の県65の入口を見落としてしまった。
気が付いたのは台金屋地区あたり。
ええい、仕方がない、と結局目木のコンビニまで走って昼食を購入。
ここで県330に入って県82に合流すれば県65に接続できるのだが、何を思ったか、再び国181を戻ってようやく県65に右折。
そんなこんなで富村に入ったのは11時半近かった。
とんだタイムロスである。
さて、富村に入って2kmほど走ると大地区である。
余川の小さな橋を渡ってすぐの右手の道を入って行った奥に「大のイチイ」がある。
背後にあるのは『富八十八ヶ所霊場四十番札所阿弥陀堂』。
イチイ自体はそもそも巨木になる樹種ではないので、この樹も巨木ではないのだが、名木として選定されている。
地元では「大の栂(トガ)」と呼ばれているが、元々この地にはイチイは自生していないので参詣者が植えたものだろうと言われている。
余談であるが、トガとはツガのことでマツ科植物、イチイはカヤなどのイチイ科で別物である。なぜ「栂」と呼ばれているのかは定かでない。
イチイから200mほど西に神田神社がある。
ここの社叢は県郷土記念物に指定されており、5本のスギの巨木があるということなので訪ねてみた。
県65から鳥居に向かってまっすぐ進み、右手の坂を上ると境内まで車で入ることができる。
5本のうち最大のスギはどれだろう、と辺りを見回し、それから鳥居の傍らに説明板やら立杭があったのを確認するために石段を下りようとした。
この時、石段の下に赤い服が右から左に動くのが見えた。
先ほど進入してきた時に鳥居の近くで草刈りをしていた人である。
瞬時に悪い予感がした。
左手には民家はなかった。
なのに草刈りの手を止めて左手方向に行った、ということは、誰がやって来たかを確かめるためではないか?
いや、でもそれは疑心暗鬼だろう…と、石段を下り切ると!
石垣の陰から赤い服を着た少年がひょっこりと顔を出し「こんにちは。」と挨拶をした。
外見と声の具合からして、まだ中学生のようである。
「こんにちは。」と挨拶を返すと、彼は「ここに何しに来たん?」と話しかけてきた。
「ここの神社に大きなスギの木がある、と聞いたんで見に来たんよ。」
「ふーん…泥棒かと疑うてしもうた。ごめんなさい。」
素直に謝る少年、しかしやはり不審者と思われていたのか…(T_T)
「最近この辺になぁ、泥棒が出るんじゃ。それで知らん人が来たけぇ…」
「ああ、そりゃ驚かして悪かったなぁ。せえでも神社には来んじゃろう?」
「賽銭が盗られるんじゃ。」
ま、少年はあっさりと警戒を解いてくれたようである。
話を戻して神社のスギであるが、ここには5mのスギがあるはずであった。
しかし案内板を読むと、そのスギは平成16年の台風23号で倒壊してしまったとのこと。
境内を捜すと、なるほど切株が見つかった。
現存するスギの中でいちばん大きいのは、写真のいちばん左手のスギであろうか(4.0m)。